どこにでもいる普通の男が、ほんの偶然で知らずにサーヴァントを拾ってしまい、食事を与えたら懐かれてしまったという話。優しくしてしまったら、気付いた時には取り返しのつかないことになっていたのです。

 女の子を拾ったのが数ヶ月前のこと。
 バイト帰りに家まで近道しようと思って、たまに利用している細い路地を通ったのだが、薄暗くて滅多に人が通らないそこに、若くて細身の金髪の女の子が倒れていた。服は着ているし、怪我をしているわけでもない。体や服がすごく汚れているわけでもない。
 こんなところで昼寝をしているのだろうかと最初は疑ったものだが、声をかけるべきか、無視して帰った方がいいか、悩んでいる俺にむくりと顔を上げた彼女が言ったのだ。

 「お、おなかが、すきました……」

 消え入りそうで泣きそうな声だったから、つい見捨てて帰れなかったわけである。
 どうやらただ空腹で行き倒れていたらしい。飽食のこの時代に珍しい、とは思うのだが、現代日本にだって貧乏で食べる物にも困っている人はいるだろうし、外国人なら尚更だ、と思って家に連れ帰ることにした。

 俺だって別に裕福なわけじゃない。住んでる人間もほとんどいないようなボロアパートで一人暮らしをしていて、貯金はするようにしてるが、その分日々の食事は質素で、性格的にただ適当なだけとも言えるけど、決して女の子を迎え入れられるほど余裕があるわけじゃない。
 ましてや、誰かもわからない行き倒れの少女なら尚更だ。

 家に上げて、簡単なメシを食わせてやって、案外簡単に懐いたのだが、それがいけなかった。
 元々この町に知り合いがいなかったせいか、翌日には再び俺を訪ねてきて、昨日の御礼かな? なんて思ってたら単にメシをたかりに来ただけだった。

 それ以来、俺のメシを狙って毎日のように通うようになったのである。
 それどころか俺の家に泊まるようになり、気付いた時には居候のように同居していた。
 もちろん、俺には無断だ。

 「まあまあ、私たちの仲なんだから細かいことはいいじゃないですか」

 いつからだったか帰らないな、と思って話をして、すっかり転がり込んだ気でいた(事実そうだったのだが)彼女が言ったセリフだ。
 どんな仲だと言ってやりたかったのだが、呆れて物も言えなくなったので無言を貫き、結局は許してしまった。
 まあ、後にそういう仲にはなったんだけど……。

 きっかけは何だったか。確か、色々あったんだと思う。だが正直に言えば彼女が勝手に俺の家に住みついたことが問題だったのは間違いない。
 風呂上がりの裸を見られたりとか、隠していたアダルト関連の色々が見つかったとか、オナニーしてる真っ最中を覗かれていたとか、ほとんど被害者は俺なんだけど。でもそういうのが積み重なって致してしまったのだろう。

 とにかく変な奴だった。
 名前を聞くと、

 「謎のヒロインXと呼んでください。もしくはセイバー」

 なんて変なことを言うし。
 仕事はしてるのかを聞いたら、

 「その他のセイバーを狩り、王道を守ることです! あなたももちろん青セイバーが好きですよね! 赤とか白とか黒ではありませんよね! ね!」

 急にテンションが上がって返事を強要してくるし、たまに何を言ってるのかわからなくなる。
 それでも、一部の話題を除けば基本的にはいい奴で、細い体のわりに異様なほど大食いだけど、追い出さないのは結構気に入ってるからなのかもしれない。

 なんとなくいい関係が築けていると思う。
 困ってることと言えば、食費がとんでもないことになって、削ろうとすれば猛抗議と実力行使が待っていることぐらいなんだけど、敢えて一つ言うのなら、彼女の体力が無尽蔵だってことくらいか。

 彼女とそういう仲になったのはいいことなんだが、その、毎日のようにしてるとこっちの体力が続かないわけだ。何度もそう言ってるのに聞き入れてくれる様子はない。
 それは今日も同じだった。

 「あんっ、んんっ、あっ、あっ――!」

 裸のXが俺に跨り、激しく体を上下させている。
 こういうことが当たり前になってしまった今、Xは色んな憂さ晴らしをするみたいに俺を押し倒して、毎晩のように繋がっていた。時には夜じゃないこともある。
 気持ちいいのだが、気持ちいいからこそ、俺の体は悲鳴をあげているわけだ。

 Xは高い声で喘いで、体全体が弾んで、一見すると辛そうにも見える表情なのに楽しそうだった。
 小ぶりの乳房がほんの少し揺れている。
 白くて細い体。汗に濡れて妙にエロく見える。
 腰は括れて、お尻はそれほど大きくない。

 「んっ、あぁっ、また硬くなった……」

 一旦腰を止めてXの顔がにやけた。
 ゆっくり腰を上げていくと、ずっぷり刺さった俺のちんこが見える。硬くなったのは自覚してて、暴発しそうだから一気に力が入ったんだろうけど、狙ったわけでもなく腰が止められたから俺的には非常に辛いことになる。

 至近距離で顔を見つめられて、彼女の笑顔が鼻先にあった。
 ずいぶん楽しそうだ。普段から笑ってることは多いが、こういう時は毎回、普段の倍くらいは嬉しそうに見える。おいしい物を食べてる時と同じ顔だ。

 また腰が下ろされていって、ゆっくりちんこが呑み込まれていく。
 自然とため息が出た。体に力が入らなくて、もう自分から腰を振ることもできない。

 「あんっ。奥がっ。奥に当たるの、いいですね……」

 力が抜けた声で囁いてくる。
 倒れ込んで肌をぴったり合わせると、力を抜いて動かなくなった。
 息遣いから落ち着いているのがわかる。途中なのか、もう終わったのか。硬くなったからには終わりまでしてほしいとは思うものの、実を言えば、すでに何度かイった後だ。このまま終わったとしても、もう疲れてるしそれはそれで文句はない。

 「はぁ~、気持ちいいですね……」

 安心した様子でぐったりしたまま言ってくる。それは確かにそうなんだけど、人間の体力ってもんについてもう少し考えてほしいところだ。
 聞けば彼女は厳密には人間ではないらしく、体力は人間なんて軽く超えている。ここまで付き合わされた常人がどうなるか、全くわかっていない。

 快感と同時に眠気に襲われながらXの頭を撫でる。
 基本的に子供っぽい女の子で、よく食べるし、嫌いな奴は命を狙うくらいだし、嬉しけりゃ笑うししたくなったらする。そんな彼女だから、頭を撫でてやるとよく喜んだ。

 さらさらの髪に触れて撫でてやると、やっぱりXは喜んでいるみたいで、くすくすと嬉しそうに笑う声が聞こえた。
 顔をあげるとにんまり笑ってるのを目で確認できて、それはよかったと笑い返してやる。
 唇にキスをされる。ちゅっと一瞬だけすぐ離れて、また触れて、それを何度か繰り返すものだからこっちからもキスしてやった。Xは嬉しそうだ。

 続けてほっぺたを舐められた。ぺろっと舌で触れられて濡れる。
 負けじと俺も舐め返す。ほっぺたに続いて鼻先も舐めてやった。
 何度かそんなことを繰り返して、最後に唇同士を合わせる長いキスを終えてから、やっと満足した様子で顔を離し、Xが俺の顔を覗き込んできた。

 「舌は、入れないんですか?」

 待っていたのだろうか。
 別に嫌なわけじゃないし、もう一度キスをして、今度は口の中に舌を差し込んでみる。
 途端にXが腰を動かし始めて、ちんこが抜かれたり入ったりするわけで、うっと声を漏らしてしまうがなんとか我慢して舌を動かす。

 「んっ、んっ、んっ、んっ……」

 Xの動きは、最初は具合を確認するかのように恐る恐る、ゆっくりだったけど、徐々に力が入って大胆になって、ぐぽっぐぽってやらしい音がしてる。

 「んっ、んっ、んっ、んんっ……!」

 堪え切れない様子でXが思いっきり腰を振るようになった。
 これがもう、ほんとにとんでもない。当事者でも何が起こってるのかわからないほどだ。
 やっぱり今日も例に漏れず、気付いた時にはすでにイっていて、中に注がれたのにXは気にせず腰を振り続ける。

 「んんっ、あぁっ、あああぁ……! んんっ」

 多分、わかっててやってるんだろう。毎回のようにこれをやるのがいい証拠だ。
 おかげで俺は、イってるんだかイってないんだか、イキ続けてるのかそうでないのか、何がなんだかわからないけどちんこからは何か出てるし、体の奥がぎゅううっとなってる。

 勝手に声が出るし、勝手に体が動くし、わけがわからなくてぐちゃぐちゃで、気持ちいいんだけど苦しくて、そんなめちゃくちゃな状態はいつまで経っても慣れることがない。
 でも俺がそんなことになってるそんな時に限って、Xはどんな瞬間よりも嬉しそうで、メシを食ってる時よりも幸せそうにしている。

 「ああっ、いいっ! その顔いいですよっ! んふふ、もっと、イケ! イケ! イケ!」

 あぁ、やっぱり、俺はイってるんだな。
 そう思った時にはいつものように、多分情けない声を出しながら、バチッと強めにスイッチを押して電気を消すみたいに、俺は意識を失った。

FIN