コンコンッ

「はい、どうぞ」

「団長、呼んだぁ?」

自室で今日の依頼結果をまとめていたところに、人づてに呼び出した女性がやってきた。

「あぁ、ちょっとそこ座って。イオ」

「?はぁい」

素直に椅子に座って、ソワソワとボクの部屋を見渡す。

「さて、呼び出した理由だけど、心当たりは?」

「えー?イオわかんなーい」

頭の両側に人差し指を当てて、首を傾げた。可愛い。

「ロゼッタさんみたいなことしなくていいから」

「むー……でもほんとにやましいことなんてないよ?」

「そうか、無自覚なのか」

「あたしが何かしたってこと?」

とぼけてるわけでもなさそうな様子にため息をつきながら、引き出しから紙の束を手に取ってペラペラと捲っていく。

「何かしたというより、すべきことをしなかったというか」

その中から数枚を抜き取り、イオに見せながら話す。

「どういうこと?」

「苦情が来てるんだよ、特に男性から」

「えー?」

不満そうな声をあげるイオだが、流石に思い当たることがあったのか、またソワソワとしだした。

「えー?じゃなくて。例えばだけど横柄な態度とられたとか、指示したら自分でやればぁ?って言われたとか、そういうのなんだけど、実際どうなの?」

「うーん、だってぇ」

「だって?」

なんだろうか。まさかセクハラをされているとか?

「あたしが団長たちと旅に出たのって、もう10年も前だよ?新しく入った人と、なんか馴染みにくいというか」

ただの古参アピールだった。

「だからって邪険に扱っていいの?」

「そういうわけじゃ……ないけどぉ」

「まぁ確かに態度が悪いだけでなんだかんだ手伝っていることは報告されてるけど、古参だからこそ見本になるべきでは?」

「うっ……団長の言う通りだけどぉ」

「だけど?」

「はぁ……もういいや、話それだけならあたし部屋に戻るね」

イオはそういってそそくさと、逃げるように立ち去ろうと扉へ向かった。

しかし

「……あれ?出られない」

扉はしっかりと閉まっている。

「そりゃ入った時に錠前の魔法かけたし。納得するまで出すつもりなかったから」

「何それずるい。あっ、わかった、団長もしかして」

ニヤッと笑ってドヤ顔で彼女は言った。

「あたしにえっちなことしようと思って呼び出したんでしょ?」

「いや全然?ツルペタに興味はないよ。ボクが好きなのはそうだな、イオくらいの歳だとクムユみたいな」

バッサリと斬り捨てると、ショックを受けたのか顔を赤くして、前のめりになって詰め寄ってくる。

「ドラフじゃん!それと比べるのは残酷すぎない!?」

じゃあ10年前のベアトリクスさんくらいとでも言っておけばよかったのだろうか?どちらにせよないものはないが。

「〜〜っ!絶対、あたしの方がいいって、言わせてやるんだからっ!」

胸の辺りを凝視していたせいか、何を考えているかバレてしまったようで、怒りながらひざまづいた彼女は、ボクのズボンのチャックを勢いよく開けた。