最初のきっかけは鮮明であった。
 歳が離れているとはいえ、男女で一つ屋根の下に暮らしており、訪れる客も少なく、邪魔が入らないのであればいつか関係が壊れてしまうのは当然であった。

 ある夜、碇シンジはオナニーを覗かれてしまった。同居している葛城ミサトは、彼が眠っていると思って自室の扉を開けると、ベッドに横になってしている真っ最中であり、少しの間気付かずに続けていたのだが、ミサトが去らなかったことでシンジが振り返って気付いてしまった。
 落胆され、嫌悪される。自分のしている行為を見られたことにシンジは絶望した。
 だが、ミサトの反応は違っていた。

 「シンちゃん……見ててあげよっか?」
 「え?」
 「見られてる方が気持ちいいよ」

 落胆でも嫌悪でもなく、拒絶するつもりなど微塵もない。思わず微笑み、優しく囁いたミサトは部屋に入って、ベッドに上がってシンジの隣に寝そべった。
 緊張してがちがちになっている彼に腕枕をして、反り返ったペニスを見つめる。
 細いが長くて硬そうな、皮をかぶっているペニス。大人と子供の中間のような印象。

 シンジは羞恥心に苛まれ、咄嗟に両手で隠そうとするのだが、ミサトがやんわり手を握ってどかせた。
 まじまじと見つめられて顔が熱くなる。
 動くことができず、しばしただ見つめられるだけの時間が続いた。

 隠したいのにペニスは反り返ったまま、むしろさっきより硬くなっている気さえする。
 ミサトはシンジの耳元で艶やかに呟いた。

 「ねぇシンちゃん、さっきみたいに自分でしてみて。あたしここで見てるから」
 「あ、あの、でも……」
 「大丈夫だから、やってみましょう? 絶対さっきよりよくなるわよ」

 ふうっと息を吹きかけられて、シンジの体はびくんと跳ねた。
 元々内気な少年だ。どう思っていようと、反抗してこの場から逃げ出す力などない。それに心のどこかでは喜んでいた。見つかったことに対するショックや緊張こそあれど、拒否されないばかりか隣で見守ってくれることを喜んでいたのだ。

 恐る恐る動き出したシンジは、自分の手でペニスを握り、いつものように上下へ扱き始めた。
 握られて皮が動き、ゆっくりとした刺激を受けてシンジは小さく息を吐く。

 自身を引き取った同居人とはいえ、まだ三十路前のきれいな女性に見守られながらするオナニー。恥ずかしくて堪らない。なのに言われた通り、普段よりも気持ちよくて、シンジはどうにかなってしまいそうなほど興奮してペニスを触る。
 ミサトの指先がシャツをまくり上げ、シンジの乳首に触れていた。転がすようにして刺激を与え、シンジの余裕はさらに無くなっていく。

 「おちんちん気持ちいい? いつもこうしてシコシコしてるの?」
 「え、えっと……その」
 「正直に答えて。裸も勃起ちんちんも見られちゃったんだから、今更隠してもしょうがないでしょ?」
 「で、でも、そんなこと……」
 「じゃああとであたしの裸も見せてあげる。あたしのオナニーも、回数も教えてあげる。それでおあいこ。いいでしょ?」

 ミサトの顔は近く、少しお酒の匂いがした。こんな行動を取ったのはお酒のせいかもしれない。
 仮にそうだとしても、見逃してはもらえそうになかった。
 仕方なく、というわけでもないのだが、溢れ出す興奮に従ってシンジはわずかに頷いた。

 「いつもどれくらいしてるの?」
 「二日に、一回とか……」
 「それ本当? 毎日じゃないの? 若いんだから我慢できないでしょー」
 「えっ!? あ、いや、それは……!?」
 「ふふん、図星みたいね。でもあたしは全然気付いてなかったよ。いつ?」
 「えっと、ミサトさんがいない時とか、寝る前とか……」
 「ふーん、そうなんだ。そうよね。我慢できないよね」

 ミサトが身じろぎした。体の向きを変えてシンジを覗き込むようにしている。

 「おっぱい見たい?」

 唐突な提案に驚き、一瞬固まってしまったが、やはり本音を隠せずにシンジは頷く。
 素直な反応に喜びを隠せず、ミサトはくすくす笑った。

 「うふふ、正直ね。いいわよ」

 ミサトが薄手のタンクトップをまくり上げて、ブラジャーをしていない、大ぶりの乳房が露わになる。
 視線が釘付けになったシンジは、間近にあるゆさりと揺れた胸、初めて肉眼で見た乳首に興奮して、自然とペニスを扱く手が速くなった。

 「う、わ……!」
 「ほら見て。って言わなくても見るか。あたしの体、おかずにして?」

 興奮させてやろうと敢えて色っぽく意識して囁いた。するとシンジの反応は明らかで、我慢できずに声を漏らし、必死に動かす手は疲れを知らないかのように止まらなかった。
 シンジの荒い息が胸に当たる。熱くていやらしい。敢えて自分から顔へ近付けた。
 その一方、おそらくは無意識だがシンジの顔が胸に近付くと、ミサトはギリギリまで待ってパッと離れてしまう。シンジの顔は寂しげに歪み、あっと声を漏らした。

 「舐めちゃだめよ。私はシンちゃんのオナニーが見たいんだから。えっちはだめ」
 「ご、ごめんなさい……」
 「いいのよ。でもシンちゃんがあたしの言う通りにしてくれたら、いつかはご褒美……ね?」

 にこやかに微笑んだミサトに、或いはその言葉に興奮を覚えて、シンジはくっと声を発した。
 彼女の生足にびゅっと精液をぶちまけて、ペニスを強く握って最後まで絞り出す。
 かけられた瞬間こそ驚いたミサトだが、目視で確認するとすぐ笑顔になり、嬉しそうに指で掬って、シンジが呆然と見ている前で舌で舐めとってやった。

 それが最初の夜だった。
 誰にも告げられない、二人だけの秘密の遊びは、その後も夜毎に続けられていった。

 シンジはミサトの前で裸になり、オナニーをする。
 彼女に見つめられながら必死にペニスを扱いて、時にはミサトの裸をおかずにして、射精した。
 日を追うごとにエスカレートしていくが、一線を越えることはなく、シンジがオナニーをすることだけは変わらない。

 初めは自宅の寝室、夜の間だけ行われていた。それが日中に行われるようになり、寝室だけでなくキッチンや風呂場、玄関先、果ては部屋を出て外でまで行うようになる。
 マンションの階段、公園のトイレ、路地裏、学校にこっそり侵入してすることもあった。
 ミサトが指示すればシンジはどこででもペニスを出し、自分の手で扱いてオナニーをして、射精したのだ。

 「シンちゃん、今日はこれを使おっか」

 ミサトが差しだしたのはオナホールだった。
 使った経験はなく、なぜ今使おうと思ったのか。疑問に思うシンジにミサトは笑いかけた。

 「これは練習よ。本番に備えて、ね」

 悪戯っぽく笑った彼女の表情で全てを察した。
 シンジは力いっぱい頷き、ミサトの言う通りにする。

 場所は奇をてらわず、いつかと同じで夜の寝室だった。
 裸になったミサトはすでにシンジのベッドで待っている。股を開いて、自分の手でヴァギナを揉みしだいて、準備を終わらせた状態だ。
 一発イッたらセックスさせてあげる。
 そう言われたおかげでシンジは迷わずオナホールにペニスを突っ込み、ローションで湿っているそれでペニスを扱き始めた。

 おまんこに入れたら、こんな感じなのかな。
 興奮で息を乱すシンジは考えることすらせず必死に射精しようとする。
 おかずなら目の前にあった。ミサトから目を離さず、お預けされた犬のように、その裸体にむしゃぶりつく瞬間を想像しながら必死に手を動かした。

 そして、射精する。
 体がびくっと跳ねて苦しげな声を出したせいでわかりやすかっただろう。ミサトは満足そうに笑った。

 シンジは待ちきれない様子で顔を上げ、呼吸を整える暇すら惜しんでミサトを見た。
 慈愛に満ちた顔で微笑み、そっと両腕を広げられる。
 何を意味するのか、この状況で理解できないはずはない。
 ついに待ち望んだ理想を目の前にして、シンジはだらしない笑顔になった。

 「来て、シンちゃん。セックスしよ」

 返事をする暇すら惜しい。
 飛びかかるようにベッドへ上がったシンジは、まず最初にミサトの胸へ顔を埋めた。顔を挟まれて至福の表情になり、堪らず乳首へ吸いついた。
 あんっと弾む声。ミサトは拒否するどころか嬉しそうに受け入れている。
 そうしながらもシンジの腰は勝手に動いていて、念願のセックスを求めて亀頭を擦りつけていた。

 「ねぇシンちゃん、気持ちはわかるけどあたしも欲しいの……ずっと我慢してたのよ?」
 「は、はい。僕もです……」
 「だからこっち」

 シンジは彼女の胸から手を離さなかったが、ミサトがリードして導いてくれたことで、彼のペニスは彼女のヴァギナに、膣の入り口へ押し当てられる。
 初めて触れたミサトの手で支えられて、指示通りにぐっと力を加え、亀頭が呑み込まれていくのを感じる。
 ぬぷっとペニスが入り込んで、シンジとミサトは、嬉しそうに深く息を吐き出した。

FIN