薄れていた意識が呼び覚まされた時、エマは目を見開いて愕然とした。

 (えっ!? 私……吊るされてる……!?)

 地面に足が届きそうな距離なのに触れられないもどかしさ。両手は背中に回す形で麻縄で縛られ、エマは体の自由を奪われている。ジタバタと藻掻いても、体が動かせないフラストレーションが溜まる。

 (ここは、倉庫になった予備格納庫……? それよりも、喋れない……?)

 「おぅ、ようやく気づいたか? 気分はどうだ?」

 聞き覚えがある、耳障りな威張った口調。エマの視界に飛び込んできたのは、ティターンズ幹部のジェリドとカクリコンだった。宙刷りで体をジタバタさせるエマを見て、ジェリドは薄ら笑いを浮かべる。

 「自慢の高官口調で喋ってみろよ。 上手く喋れたらの話だがな」
 「んぐっ、んん、ぐっ」
 「ハハッ。 無理言うなよ、カクリコン」

 エマの口元にはギャグボールを仕込まれており、上手く言葉を発することが出来ない。そして、無理に口元を動かそうとするほど、エマの口元から唾液が垂れ落ちてくる。

 「うわっ! 汚ねぇっ! テメェッ、何しやがんだっ!」

 新調したてのジェリドの制服がエマの唾液で汚れてしまう。咄嗟にエマに殴りかかろうとした時、

 「やめろ、楽しみはこれからだろ?」