…私たちがソルティコの町に着いてから、もう3日経過した。
水門を開けてもらう話はもう初日でついている。なのに、私たちがこの町に留まり続けている理由は…

「あいつ、今日もカジノに籠っているな…」

カミュがぼそりと呟いた一言に誰も何も言わなかったけど、全員の視線はカジノの入口へと向けられている。

「『今ここでやっておかないといけない!』なんて、あんなまっすぐできれいな瞳を向けられたら、何も言えないわよ…」

ベロニカの言葉に、カミュもセーニャもうんうんと頷く。…あの子、このパーティーで相当甘やかされているわね。

「もう成人したんじゃ、賭け事の1つや2つ嗜んでもかまわんじゃろう。ほっほっほ」

ロウ様はロウ様で、感動的な再会をしてまもない孫にデレデレ状態。
はぁ…あなたたち忘れているかもしれないけど、ずーっとシルビアさんが町の外で待っているのよ?もう少し、視野を広げなさい…。

「今日も当分出てこないでしょ?私、少し町の外で体を動かしてくるわ」

「姫、町の外は危険なモンスターが…」

「ロウ様、ご心配には及びません。自分の身くらい、自分で守れますよ」

それに誰かがシルビアさんに、「今日もソルティコの町で足止めです」と伝えに行かないといけないものね。
なんで頑なに町に入ろうとしないのかはわからないけど、何か事情があるだろうから、今はそっとしておくのがいい。
私はカジノ前で今日も健気に待つみんなを置いて、一人ソルティアナ海岸へと向かった。

ソルティアナ海岸に着くとシルビアさんの姿はなかったけど、代わりに大量の魔物の姿があった。
この数をこのまま放っておくと町に被害が出る可能性もあるし、何よりずっと町にいて体がなまりそうだったから、丁度いい運動ね。
そう思った私は次々と戦闘を仕掛け、高火力な技で薙ぎ払っていった。

「そろそろMPが切れそうね。回復アイテムあったかしら…」

手持ちアイテムを漁っていると、強烈な眠気が襲ってくる。あれ?戦闘で疲れちゃった?でも、どうしてこんな急…に…
私の意識はそこでプツリと途切れた……