随分素直になったものだ、と我ながら思う。東堂葵は学生の頃から大きめのストレス要因で、顔を合わせるのも嫌だった時期もあった。それが、高田ちゃんの布教を通じて、だんだん距離が近くなっていったとはいえ、こいつと付き合うことになるなんて、当時の私に伝えたらどう思うかしら。きっと、「冗談も大概にして」なんて反応が返ってくるだろう。それも、私から「付き合って」なんて、信じないに違いない。
それでも、気付けば体温を恋しく思うくらいに、頼もしくて、言動はアレだけど、根はやさしい東堂葵が、好きだ、と思う。
こんなことを考えるのは、ぼんやり流している恋愛映画のせいだ。葵がこちらを覗き込んでいたことにも、気付かなかった。傷の奥で丸い瞳がこちらを見る。
「真依、どうした?」
「べっつに、何もないわよ……。」
恥ずかしいくらいにあからさまな嘘が口をついて、顔が熱くなる。照れ隠しにソファーに沿って指を動かせば、すぐそこに葵の指先があった。迷いながら、動きかけたその指につぅ、と這わせて絡めとる。古傷まみれの筋張った太い指。
一拍間を置いて、繋いだ指先にそっとキスをされる。そのまま、手首、肘の内側、上腕、肩、首、ゆっくりキスしながら近づいてくる。やさしい刺激に、体がうずうずとざわつく。
「何?誘ってるわけ?」
「誘われたと思ったんだが、違うのか?嫌ならやめるぞ。」
こいつは私のことがよくわかっている。私から触れることなんてほとんどないだけに、意図を汲まれた。
「嫌なんて言うわけないでしょ。」
そのまま、空いた右手で引き寄せて、唇を重ねた。目を閉じて、葵の口内に神経を集中する。ピ、と音がして恋愛映画の音が途切れ、瞼を透かす光が少し弱くなる。
肉厚な葵の舌が、私の口内で蠢く。歯の裏、上顎をするすると撫で、無防備な舌の裏に絡むように添う。私の腰に添えられた大きな手のひらは服越しでも温かく、さわさわと優しく動く。
ぴちゅっぴちゃっちゅ、ちゅぷっ
「ふっ、はふっ、んっ……」
誘ったのは私なのに、私ばかり息が上がっていく。繋いでいた左手はいつの間にかほどかれて、葵の両手は私の服の中に滑り込んでくる。器用にブラのホックを外されたが、直接は触れてくれない。インナーの上からゆるゆると乳房を緩く揉まれる。
「んっ、ぷあっ、んぅっ……はっ、あっ♡はひっ、」
ホックを外されて彷徨うような生地に擦られ、緩く刺激されてじりじりと焦らされる。布地の上から乳首の周りをくるくる、と触れられる。唇を離し、息を継ごうとしても、すぐさま戻されてしまう。乳頭はぴん、と立ちあがりはじめ、敏感になっていく。口内は舌で弄られ、弱点に触れているのに、強く刺激してはもらえない。乳房も優しく揉みしだかれて、弱く「その気」にさせられる。葵の味、匂い、布地ごしの指の動き、体温、どれも受け入れたいのに、体を火照らせるだけ。鋭く立ちあがった乳頭には触れてもらえない。くるくると周りをなぞられ、下腹部はきゅうきゅうと刺激を求めている。しつこいくらいにじっくり、やさしく、「本気」にさせられる……♡つらい、つらい、ちゃんと気持ちよくなりたいのにっ……。
不意にピンッと乳頭をはじかれ、すぐさまギュっと摘ままれる。
「ああ゙っ♡」
油断していた体に、快感が走る。軽くイった……イっちゃった……。