あたしはなんとなく、一人で街をぶらぶら歩いていた。人気の少ない道に入った途端、二十代前半ぐらいだろうか? あたし的にはガキにしか見えない男の集団が、あたしに声をかけてきたのだ。
「かわいいねぇ、一人? 名前は?」
……あたしは背が低いから、こういう馬鹿がよくナンパしてくる。こんなやつら、念能力を使う価値もない。
「んだよ、調子に乗ってんじゃねぇよ! ブス!!」
あたしが無視していたら、グループのリーダーらしき男が、気に食わないことを言ってきた。
「そのブスにも相手にされない男ってどうなのかね」
あたしはつい、言い返す。この気の強さで、危険な目にあったこともたくさんあるけれど、我慢できなかったのだ。
「てめぇ」
リーダーは、顔を真っ赤にしてあたしの胸を触ってきた。……おもわず念能力を発動しそうになるが、おかしい。能力が発動できない。
「あっ、俺の念能力、“相手の念能力を無効にする”だから」
なんだそれ。団長も確かそういう能力があったが、チートじゃないか。コイツ、幻影旅団にスカウトしたほうがいいんじゃないか?
「あー、ちっぱいもいいねぇ」
あたしが真面目に考えてるっていうのに、そう言って、リーダーはさらにあたしの胸を触る、というか揉む。あたしはそんなに貧乳でもないんだが。イラっとする。
とりあえず、コイツはヤバい、と思ったので、あたしはさっさと逃げることにした。しかし、グループで周りを取り囲んできたので、逃げられない。
「ちょっと、大声出すよ!」
「ほかにろくに人もいないじゃん。あっでも、うるさいから口、ふさいじゃおうか」
その瞬間、あたしはリーダーにディープキスをされていた。
「うげぇっ」
解放された途端、気持ち悪さがこみあげてくる。
「まさか、ファーストキスじゃないよね?」
あたしは何も答えられずにいた。図星だったからだ。
「マジかよ、その見た目でキスもしたことないとか、地雷じゃん!!」
リーダーをはじめとしたグループに爆笑される。
「そうなの。だから、もうやめて」
あたしは、だんだん弱気になっていた。
「そう言われると、逆に興奮しちゃうなぁ。じゃあ、お兄さんたちの質問に答えたら、解放してあげる。まずは、名前は?」
「……マチ、です」
「マチちゃんね。マチちゃん、オナニーはするの?」
「しません!」
本当に、あたしはまだオナニーをしたことが一度もなかった。
「え~、ホントかなぁ。マチちゃん、隠れスケベっぽいじゃん。証拠見せてよ」
「証拠って言われても……」
「キスもまだなら、セックスもまだでしょ? 処女?」
「それは……」
「処女なんだね。チェックしていい?」
言うが早いが、リーダーはあたしのパンツを下におろした。
「ちょっと、何やってるの!?」
「見たらわかるでしょ」
おおお、とグループのやつらは大興奮している。
「ほとんどパイパンじゃん。割れ目がよく見えるよ」
「み、見ないで!」
「そう言われたらもっと見たくなっちゃうなぁ」
リーダーは、ジロジロとあたしのアソコを見てくる。
「じゃそろそろ、処女かどうかチェックしちゃおうかな?」
……処女かチェックするってどうやるの? という疑問は、すぐに解消されることとなる。
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