「いらっしゃい」
野太い声が響く喫茶キャッツアイ、冴子が一人コーヒーが飲みたいと入ってきた。
ファルコンも冴子の姿を見て安心したというか、もともと彼は接客に向いていないぶっきらぼうな性格である。知り合いで会ったことで安心したのだろう。
パートナーの美樹がいないときはファルコンが一人でお留守番をしている。たいていその時間はお客が入ってこないのだ。
こんな大男が一人でいたら、気になってコーヒーも飲めないというお客心理。

冴子がいつものようにカウンターに座りコーヒーを頼む。ファルコンの淹れるコーヒーは見かけによらず絶品の味だ。

「で、何か用か?」
ファルコンは黙ってコーヒーを飲む冴子に聞く。彼女がここに来るときは何かあるのだろうとファルコンはわかっていた。