「よし、しいな。このゼロス・ワイルダー様の愛人になるんだ」

 大真面目に言ったのにおもいっきりビンタされた。予想はしていたが甘んじて受ける。

「待て待て落ち着け。ちゃんと話は最後まで聞け」

「いいか? ロイドくんの活躍によって世界は統合されたし世界樹も芽生えたわけよ。ただね、主人公以外、その他大勢の一般人にとっちゃワケわからん展開なわけ。おとぎ話で伝わっていた世界が生えてきたし、まあ俺さまたちの活躍でテセアラの教皇の失脚やら色々あったわけだし。お前だって仮にも隠密の一族だからそのあたりの民衆の反応は知らないはずがないだろ? で、神子制度が廃止されるっていっても、こーんなに顔がよくて若くてイイ男で人気もあって戦えて権力もある俺さまには面倒事がつきまとうわけだ。ほら、俺さまカワイイ女の子好きだからさー、そういうのもいっぱい差し向けられるわけだよー。そこで、正式に結婚まではいかなくても堂々と交際宣言しておけばそのあたりクリアできるってワケ?」

 めちゃくちゃムッツリした顔で聞いてくれている。よしよし。

「ってなわけで、これだけ建前作ったわけだし、俺がしいなに本気(マジ)なの分かってくれないかなー」
「…………あたしだって、ゼロスのこと、カッコイイとかちょくちょくときめいてさ、その度他所の女にフラフラしてるのみてただの間違いだってごまかしてきてさあ……何よ今更……」

 あー泣かせちゃいそう。仮にも本気になってる女のこういう顔きらーい。

「泣くな泣くなって。そんなに嬉しいの分かったからさ、ところで」

 いつもの調子に戻ってもらうのが一番いいはずだろ。

「しいなって処女だよな」

 最初とは反対の頬に全力でビンタされた。