「どうした藤原書記、こんなところに呼び出して」

放課後、体育倉庫に呼び出された俺は、ものすごい剣幕で睨みつけてくる藤原千花にビビり倒していた。
何かしでかした覚えはないが、しかしそれなら何故彼女は、こんなにも怒っているのだろうか。

「会長、かぐやさんとえっちしたんですよね」

「えっ」

何故それを……いやまて、あれはそう簡単に漏れる秘密ではない。ひょっとしたらカマをかけられているだけなのではないだろうか。
だとすればそのまま素直に言うわけにもいかない。

「童貞じゃなくなった匂いがします」

「どんな匂いだ、童貞じゃなくなった匂いって」

思わず声に出してしまった。

「厳密には童貞の匂いではなくなったといいますか」

「えぇっ!童貞って匂いするの!?」

それは知らなかった。どんな匂いなのだろうかと興味が尽きないが、俺の仕草を観察していた彼女が頬を膨らませてより怒りを露にしたことで、思考を停止する。

「なんでもっと早く言わなかったんですか!どうせ会長のことだから、今までみたいに上手く出来なかったんでしょ!」

「え、い、いや、そんなことは」

「嘘おっしゃい!」

ビシッ!と指を左胸に向かって伸ばされる。
上手く出来なかったとは自分では思っていないが、果たして本当にそうなのかは四宮に聞いてみなければわからないし、確認する度胸は流石にない。

「というわけで~、ダメダメな会長を試験しま~す」

「ど、どういうわけ……うわっ」

飛びついてきた彼女を受け止め、その勢いのまま後ろへ下がると、計算されていたかのようにマットの上に仰向けで倒れてしまった。

「えへへ~、じゃあまずはおちんちんチェックしますね~」

彼女はそう言うと、カチャカチャとベルトを外し、チャックを開けて俺の陰茎を露出させる。

「ふにゃふにゃですね~。緊張で勃たなかった可能性大ですね~」

「や、やめないか、藤原。こういうことは流石に」

「かぐやさんに悪いから?」

ムッとした雰囲気で陰茎を握りながら聞き返され、俺は何故か即答できないでいた。
ひょっとして、と思ってしまったのだ。

「いえ、会長と付き合うくらいな死んだ方がマシです」

違った。し、何も言ってないのにフラれた気分になった。