「うふふふっ…。これが人間のオスね。随分可愛い顔してるじゃない。食べちゃうのが楽しみだわぁ…」

目の前の女の人は、全裸にされ手足も拘束された僕を見ながら不気味に笑ってそう言った。
いや、『女の人』というのは違うかもしれない。見た目は確かに人間に似ているが、その腕からは鳥の翼のようなものが生え、衣服も纏っていない。まるで鳥と人間を合わせたような姿だった。
つい30分ほど前、僕はこの鳥のような女にいきなり攫われ、彼女の根城と思われるこの場所へ連れてこられた。僕をさらった髪の長い女の他に、ショートヘアの女、髪を逆立てた女、さらに僕と同じくらいの歳の少女もいる。かなりの数の鳥女が集まっているが、男の姿は全く見られない。
そのことを不思議に思っていた僕だったが、鳥女達がいきなり自分達の後ろに注目したことでその思考は途切れる。
僕を取り囲むようにしていた女達の群れが割れ、その間を一人の鳥女が歩いてくる。その女に向かって他の女達は、羨望とも恐怖ともつかない眼差しを向けていた。

「捉えてきたという人間はこの子かしら?なかなかの上玉のようねぇ…」
「そうでしょう女王様!これなら繁栄も期待できますよ!」
「可愛い顔なのにいい体してるねえ。食べ応えがありそうじゃないか」

何が何だかわからない僕をさし置き女達は盛り上がっている。ふと僕の視線に気づいたのは女王様と呼ばれた女だった。

「わけがわからないって顔ね…。まあいいわ、教えてあげる。私達はハーピィ一族。鳥人のような生物と思ってちょうだい。ここは私達一族の里なの。あなたは私達のある目的のため、人間界からここに連れてこられたのよ」

状況を説明しているらしいが、聞けば聞くほどわけがわからない。特に気になるのは最後の言葉だ。
不安そうな表情の僕に、ハーピィの女王は一層意地悪い笑みを向けて言った。

「そう。その目的は…あなたとセックスすること。正確には、私達があなたの子を孕むこと」

思っても見なかった答えだったが、脳の処理が追いつく前に他のハーピィが続けた。

「私達ハーピィは人間とは比べ物にならないほどの身体能力を持っている分、生命力が弱いの。人間は数ある生物の中でも群を抜いた生命力を持っている。だからハーピィである私達と人間であるあなた。その間に子供がたくさんできれば、高い身体能力と強い生命力を持つ子孫が増え、私たちの一族が繁栄するってわけ」

言っていることは理解できたが、その理由に納得はできなかった。