海外留学に出て1年、帰省のため一時帰国した俺は、夏休みを目前に控えた秀知院学園に来ていた。

「あいつら驚くだろうな」

訪問どころか帰国したことさえ事前の連絡もせずにふらっと立ち寄っただけの俺は、呑気に歩き慣れた長い廊下を進む。

そして俺がいた頃は基本的には開いていた重い扉をゆっくり引くと、生徒会室には人がいなかった。

「なんだ、誰もいないのか……ん?なんの音だろう」

妙な振動音が響いていることに気付き、床や壁をぺたぺたと触ってみる。

「ふむ、こっちか」

壁を触りながら振動の元を探すと、本棚の後ろが1番強く震えているのがわかり、覗き込む。

「扉……?あ、そうか、ここは」

隠し部屋、と言うほど大層なものではないけれど、解散の片付けをした時に藤原が見つけていたことを思い出した。
本棚も重さの割にはすんなりと動く。実は窪みに合わせてキャスターが、後ろと下についているのだ。

「この中から、だな」

緊張から唾を飲み込み、ガチャリと扉を開くと

「あふんっ、いぃょぉ、もっと言ってぇ」

制服を脱ぎ大きなヘッドホンをして、股間の辺りに電動マッサージ器らしきものをあてる現会長、伊井野ミコの後ろ姿が目に飛び込んだ。