「はあ…はあ…はあ…はあ…。…はあーっ、びっくりした」

急いで自分の部屋に戻った俺は、後ろ手にドアを閉めて鍵をかけるなり大きな溜息をついた。ここまでかけ戻ってきた疲労感、そして何よりその直前に見たものの衝撃によって、俺の心臓は未だに早鐘のように鳴っている。

「まさかあんなもの見ることになるなんて…あんな…あんなもの…」

ついさっきこの目で見たものが頭に焼き付いてしまい、どれだけ忘れようとしても無理だった。

「まさかあの人が…あんな…」

俺に未曾有の衝撃を与えたのは女子高生の琴吹紬さん。いや本来なら、俺が彼女のことをさん付けで呼ぶのもおこがましい。何しろ彼女は大財閥のお嬢様、俺の方はその屋敷に仕える使用人にすぎないのだから。

俺がこの琴吹家の使用人として働き始めたのは今から半年前。それ以前から琴吹家の財力や、紬お嬢様の美貌や人柄に関する噂は耳にしていたが、実際に目にすると自分の想像をはるかに超えていることを嫌でも実感させられる。
屋敷の規模や内面の豪華さももちろんだが、それ以上に紬お嬢様の魅力は、自分が考えていたものなど及びもつかないほどのものだった。
外見の美しさだけの話ではない。新米でまだまだ至らぬ部分の多い俺にも分け隔てなく接してくれる優しさ、周囲に常に笑顔を振りまく明るさ、知性に聡明さと、彼女の魅力はもはや俺が言葉で言い表せるレベルではない。

そんなお嬢様に少しでも近づきたいと思い、俺は彼女の身の回りの世話を買って出た。彼女の役に立てると言う喜びもあったし、ほんの少しでも彼女と顔を合わせたり、会話をしたりするきっかけができたという嬉しさも感じていた。
いつまでもこうしていたい…。僅かながらそう思い始めていた時、その事件は起こった。中間試験が近づき、遅くまで勉強に励んでいるお嬢様に夜食を届けるべく、俺は彼女の部屋を訪れた。一呼吸置いてからドアをノックする。
コンコンッ。

「お嬢様。お夜食を持ってまいりました。お嬢様」

いつもはほとんど間をおかずに出てくるのだが、その日に限って中々お嬢様は出てこない。
不審に思い試しにドアノブに手をかけると、ドアは何の抵抗もなく開いた。

「あれっ?鍵かかってないじゃん…お嬢様…」

そこまで言いかけて俺は絶句した。ドアを半開きにしたところで俺が目撃したもの、それは寝間着のズボンと下着を下ろし、自分の指を秘所に激しく出入りさせるお嬢様の姿だった。恍惚の表情を浮かべ、敏感な部分を弄っている。