伊吹マヤの知人の男性・凌が、彼女に相談してきた。
今勤務している会社が反社とつながっている疑いがあり、女子社員がセクハラされている。

「どんなセクハラ?」
「接待の席で女子社員が野球拳を強要されて、最後は全裸にされてしまうんです」
「そんな!」マヤは顔を赤くして怒る。「セクハラを通り越して犯罪じゃない」

凌はマヤと会話しながら彼女に見とれていた。
短めの髪がよく似合う。
顔は文句なしに可愛いし、可憐だ。

「そのあと全裸の女子社員をお膳の上に乗せて手足を拘束しての女体盛り」
「にょたい、もり?」
「裸の上に刺身なんかを乗せて食べるんです」

殺意の目に変わったマヤは、本気で激怒した。

「絶対に許さない」
「そこで、僕が深夜社長室に入ってパソコンから動画を盗もうと思います」
「パソコンに証拠があるの?」
「社長は女子社員の野球拳や女体盛りの動画を観ていつもニヤニヤしています」
「最低!」マヤは心底軽蔑した。「あなたは、サイバー関係得意なの?」
「実はあまり」凌は頭をかく。
「あたしが動画をコピーしようか?」
「え、マヤさんはパソコン得意なんですか?」
「誰に言ってるの」マヤが笑う。「あたしはネルフのオペレーターよ」
「でも相手はヤクザもいるし」
「あたしは使徒と戦っているのよ。ヤクザなんか怖くないわ」
「頼もしい」凌は感嘆した。

マヤはヤクザを甘く見ていた。

深夜、社長室に侵入したマヤは、パソコンを観る。
動画をすぐに見つけた。
断る女子社員を無理やり野球拳に参加させ、嫌がっているのに全裸にした。
そのあとお膳に寝かせて手足を縛り、刺身を乗せて女体盛りだ。
これは酷い。
マヤは激しい怒りを覚えたが、廊下を歩く靴音が聞こえたので咄嗟にデスクの下に隠れた。
誰かが部屋に入った。
マヤは息を殺して出て行くのを待った。
ドアが開閉する音。
出て行ったと思ってデスクから出たが、男がいた。

「あっ!」

堅気には見えない高価なスーツを着たスキンヘッドの男が睨む。

「ここで何をしている?」