もしも催眠術師がドSで、催眠術を悪用したら、女の子はたまったものではない。

伊吹マヤはホテルに宿泊していた。

「ああ、飲み過ぎたかな」

あまりにもワインが美味しかったので、つい飲み過ぎてしまった。
高級なホテルでリッチな気分を味わっていたマヤは、顔を紅潮させている。

「ふううう」軽く伸びをする。

初夏といっても今夜は真夏のように暑い。
マヤは服も下着も脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿になるとバスルームへ向かう。
飲酒のあと入浴するのは危険だが、軽くシャワーを浴びるくらいなら大丈夫だろうと思った。

どくん!

「え?」

約1秒、時が止まったような感覚に襲われた。
めまいだろうか。
やはり飲み過ぎたか。

「ふうう」

マヤはバスルームのドアを開けて中に入ったつもりだったが、そこはホテルの廊下だった。

「え?」

彼女は慌てて部屋に戻ろうとしたが、非情にもドアが閉まってしまった。
まさか自動ロックか。
マヤはドアノブを引っ張るが、開かない。

「嘘・・・」

顔面蒼白になったマヤは必死に何度もノブを引っ張るが開かない。
全裸のまま廊下に出てしまった。
裸足にひんやりとした感触があり、そのまま全身の血の気が引く思いだ。
女の子が絶対にやっていはいけないミスをやってしまった。

「どうしよう?」

顔色を失った全裸のマヤは、静かな廊下を見渡す。
今にも誰かがドアを開けて部屋から出て来そうで恐怖だ。
せめてバスタオルでも巻いていれば恥をしのんで1階のフロントまで行って助けてもらうが、全裸だと女の子はそこから一歩も動けない。