廃墟が並ぶ区画に、彼女はいた。
 赤い革ジャケットに赤いTシャツ、赤いタイトミニのスカートという赤一色の女性。
 癖のない黒髪をショートにしている。

 年齢は20代の前半。整った顔立ちをしており、美女と呼んでいい。
 革ジャケットとTシャツの胸の部分を押し上げている膨らみのサイズは、Eカップといったところか。

 赤一色の美女……キョウコの右手には、大型のオートマチック拳銃が握られている。
 それを構え、廃墟の1つに足を踏み入れた。
 廃墟の中には、ある気配が漂っている。

 獣に似た気配。
 キョウコはその気配が漂ってくる方に向かう。
 ホールのような広い部屋……獣に似た気配は、そこから漂ってきていた。

 そこにいるのは……気配の主は、獣などではなかった。
 身長が2メートルはある、サルに似た存在。だが、サルではない。
 目が3つあり、腕が4本ある。

 それは生体兵器……戦争中に使われた、生きた兵器の生き残りだ。

 サルに似た生体兵器はキョウコの姿を見ると、雄叫びを上げて飛びかかってきた。
 異形が迫ってきても、キョウコは恐れない。冷静だ。
 冷静に銃口を生体兵器に向ける。

 キョウコは生体兵器を狩るハンターだ。もう何体もの生体兵器を狩っている。
 だから恐れない。
 冷静に、拳銃のトリガーを引く。

 銃声が廃墟の中に響いた。銃口から放たれた大口径の弾丸は、生体兵器の額にある第3の目に当たった。
 悲鳴を上げ、床に落ちる生体兵器。

 キョウコは連続してトリガーを引いた。銃声と生体兵器の悲鳴が一緒になって響く。
 体中、穴だらけになった生体兵器は動かなくなる。

 生命活動が停止した生体兵器に、変化が生じた。肉体が砂のようになる。元は生体兵器だった砂の中には、不思議な輝きを放つ石があった。
 キョウコは不思議な輝きを放つ石……生体兵器のコアを手に取り、廃墟を後にする。

 街に戻り、ハンター協会で生体兵器のコアを金に換えた。それなりの金額になった。

◇◇◇

 人で賑わっている街の裏通り……そこにキョウコはいた。
 酒場などが並ぶ裏通りを歩いているキョウコ。彼女は一軒の店に入る。
《月の妖精》亭という店。

 店の中に入ったキョウコは、空いているテーブル席についた。
《月の妖精》亭の壁の一面は、モニターになっている。モニターには女性の顔と名前、そして何かの数字が表示されていた。

 キョウコは注文した酒と料理を楽しむ。
 酒を満たしていたグラスが空になると、「キョウコ」と1人の女性に声をかけられた。
 声をかけてきたのは、白いチャイナドレスを着た、やや癖のある銀髪をロングにしている女性。年齢は20代の前半と思われる。

 整った顔立ちをしており、美女と呼んでいい。
 チャイナドレスの胸を押し上げている膨らみのサイズは、キョウコより大きい。サイズとしてはFカップといったところか。

 白いチャイナドレスの彼女の顔は、壁のモニターに映っている。顔と共に表示されている名前はアイラ。

「お酒のおかわりは必要かしら?」

 アイラに聞かれたキョウコは「いいわ」と返し、小さな液晶画面とスイッチがいくつか付いている金色のカード……マネーカードを取り出した。

 キョウコはそれをアイラに向け、スイッチを操作する。すると、彼女の手首にはまっているブレスレット型の端末が電子音を鳴らした。

 アイラはブレスレット型の端末に付いている液晶画面を見る。そこには彼女の指名料である金額が表示されていた。

「ご指名、ありがとうございます」

 キョウコに指名されたアイラは、極上の笑みを見せる。
 椅子から立ち上がったキョウコはアイラの腰を抱き、店の奥にあるエレベーターに向かった。