「第二王女・メルティ誘拐の冤罪をかけられ、逃亡生活を余儀なくされた尚文たち一行。
この事件の黒幕である第一王女たちを含む他勇者たちと兵士に追い詰められ、ラフタリアが逃げる時間を稼ぐために囮役を買って出る。
しかし、想定以上に兵士の数が多く、じわじわと追い詰められたラフタリアはついに膝を折り…。本編とは違う戦法を取ったIFストーリーです。」
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波の戦いは回数の度に激しさが増していく。敵も強くなっている。だから、私はレベル上げだけで慢心することなく、
尚文様の下で常に鍛練を重ねてきた。そして、確実に強くなってきた。

…それが波とは無関係の戦いで、こんなにも呆気なくやられてしまうなんて…

「っぐ…!」

長引く戦闘と受けてきたダメージで、ついに膝に力が入らなくなり、私は膝をついてしまった。もう体はとっくに限界を迎えている。
それでも、私は…ここで折れるわけにはいかない!
必死に気持ちを奮い起たせ、起き上がろうとする私の背中に、無情な兵士の足が乗せられ、起き上がるどころか完全に地面に突っ伏してしまう。

「きゃあ?!」

「盾の悪魔に使役された亜人風情が…よくも我ら国軍の手を煩わせたな…」

尚文様への侮辱、亜人差別、許せないことを好き勝手に言われているのに、私の体はちっとも言うことをきいてくれない。
ここで私が兵の足を止め、メルティちゃんを無事に逃がす。そして、頃合いを見て幻影術を使って逃げ、ちゃんと尚文様たちと合流する。
そう約束してこの場を任されたのに…!私は、私は、尚文様との約束を絶対に守らないといけないのに…!
背中に乗せられた足を押し退け立ち上がりたいのに、もう指先にすら力が入らず、悔しさで目頭が熱くなる。

「お前一人でまだやる気かよ?しょうがねぇな…じゃあ相手してやるよ!」

「ーーーー!!」

「クソ!やっぱりラフタリア一人にあの場を任せるべきじゃなかった!」

ガン!と手近な木の幹に拳を叩きつける尚文、不安そうな表情を浮かべたフィーロとメルティ。
三人の中にはどんよりと重たい空気が流れ、誰も何も言えずにいる。
合流予定時間からもう1時間以上も経過しているが、ラフタリアの姿はどこにもない。彼女の安否に不安を感じている三人だが、
ここで安易に動き回ってしまえばもとも子もないこととわかっているからこそ、「助けにいこう」という言葉が誰からも出てこないのだ。

『ーーー盾の悪魔に告ぐ!』

その重たい空気を裂くように、聞き覚えのある女の声が森に響く。それは尚文とメルティが追われることになった元凶、マルティの声だ。

『お前の奴隷は捕られた!すぐに投降しなければ、この者の辱しめを晒す!』

『尚文様!ダメです、メルティちゃんとフィーロとその場からすぐに逃げて…!』

突如ぶわりと現れた巨大のスクリーンには、手足を縛れ地面に転がされたラフタリアが大きく映し出される。

「お姉ちゃん!」
「ラフタリアさん!」

たまらず叫んでしまった二人はハッと口を閉ざすが、その手は口元に当てられたまま息を飲む。
パッと見た感じでは大きな怪我は見当たらないが、腕や足に所々切り傷があり、痛々しいと感じには十分の外傷だった。

『あら、私の声が聞こえてなかったのかしら?あなた、自分がどういう状き『黙りなさい、この卑怯者!
嘘で尚文様を貶めただけでなく、実の妹であるメルティちゃんの命まで狙うなんて…許されないわ!』

『あ゛ーもういい!見せしめに、身ぐるみ剥いじゃって!』

マルティはラフタリアの背中を蹴飛ばすと、周りにいる兵に目配せを送る。
すると、マルティは鼻をフン!と鳴らすとスクリーン、目の前にはいないが確かに尚文に向けて冷ややかで下卑た笑みを向けた。

『盾の悪魔、早く出てこないと、この奴隷がどうなるか知らないわよ…ウフフフ』

その言葉が合図になったように、兵士がラフタリアの体に群がる。乱暴に服を引っ張られ破かれ、
あっという間にラフタリアの素肌が陽の下に晒される。
奴隷紋はおろか、この短期間で成長した女性らしいなだらかな曲線を描いた肢体、大きく成長した乳房、
秘部を覆うようにうっすら生えた陰毛、その全てが大きくスクリーンを埋める。
あまりにも生々しく非道きわまりない光景に、尚文はもうほとんど冷静さをなくしていたが、
幼い二人にこれからも起きるであろうことを見せられないと判断し、二人を抱き寄せその視界を強制的に塞いだ。

『亜人のくせに、いい体じゃねえか~。これで悪魔も喜ばせてんのか?』

『っ、尚文様は一度もそのようなことを要求してきたことはありません!』

ラフタリアは必死に体を隠そうと身を丸めようとするが、複数の腕が伸びてそれを遮る。

『王女様~もうコイツ、ヤっちゃってもいいですかー?』

ラフタリアを抑える手がいやらしく体を撫でまわし、乳房はも手遊び感覚で揉みしだかれて歪な形に変えられていく様が映される。

『そうね~…あと10分経っても出てこないようなら、好きに無茶苦茶してかまわないわ。それまでは…イタズラ程度に留めておきなさい』

『尚文様、来ちゃダメ、ぁや、ヤメテ…!!』

「…フィーロ!お前はメルティと一緒にすぐ逃げろ!」

それだけを言い残し、尚文は走り出した。
映し出されている場所は、ラフタリアと別れた場所と同じ。全力で走れば10分でもギリギリ間に合う。
策を立てることも忘れ、ただラフタリアを助けたいという想いだけが今の彼を動かしている。