さあさあ、世紀のラブロマンス、見ないと損するよー……!……。

 押し付けられた台本を片手に、新一は客寄せの生徒の叫びを遠く聞いていた。

(これの主役が蘭で、相手役が……)

 もしも自分が今日現れなかったらこの『世紀のラブロマンス』のヒロインを演じる幼馴染は。
 怪我のこともなければ確実に『居候の小学生』として客席で眺めることになって。

 蘭には蘭の生活があって、それ自体に口出しするのはいくら幼馴染でも行き過ぎている。
 それくらいは理解する分別はある一方で、湧き起こる嫉妬の心もまた抑えられないのであった。

 ――工藤新一、高校生探偵。訳あって小学生の姿になっていたのが、元の姿に戻れた貴重な日のこと。