「まったく…何日もカジノに入り浸っていると思ったら、こんなもののために…」

一人、宿の部屋へと着替えに向かった私の手には、ピンク色の可愛らしい水着がのっている。
これは、グロッタカジノからフラフラとした足取りで出てきたあの子が、微笑を浮かべながら真っ直ぐ私へ差し出してきたものだ。
カジノに付き添っていたカミュ曰く、カジノコイン200万枚でようやく交換できたんだとか。
その枚数と待たされた時間を考えると、装備自体の重さの何十倍もの質量を感じてしまう。…でも…、

「『女性の魅力を最大限引き出し、天国を見せてくれる装備』って説明文もだけど、装備名『●こうの水着』って怪しすぎるのよね…」

見た目は過去に渡された『あぶない水着』となんら変わりないから、別に衣装に対する抵抗感はないんだけど、不穏な要素が多いのよ。
でも、あの子のキラキラと輝く目を見たら断りづらかったの…カミュ以外の仲間は当然手に取っていないから、こんな不穏な説明を見ていないし。
(カミュは付き合ってやれよ的に顔をしていたけど、ベロニカあたりが詳細を見たら叱って止めてくれそうなんだけどな…)だから、みんな
『あぶない水着』の上位装備とくらいにしか思っていない。今更戻って説明するにしては時間が経ちすぎているし…。うーん…

「まぁ魅力250アップって単純に火力ブーストになるし…ものは試しよね」

私は散々迷った挙句、意を決して渡された『●こうの水着』という装備を身に着けた。
…特に変わったことは起きないし、着た感じもやっぱりの今までの水着と同じ。
なんだ、意味ありげな文章だと思っていたけど、ただの上位装備ね。
ホッと胸を撫でおろし、鏡の前で身だしなみチェックを終えた私は、外でかなり待たせている仲間の元へと向かった。

”…シュルルル……。これで今度こそ 勇者どもを我の手で……”